皆様、いつもご覧頂きありがとうございます。平岡麻奈です。ようやく秋らしい風が吹いているように感じます。コンビニで温かい飲み物コーナーが設置されていて感無量でした。寒い時に缶コーヒーを飲みながら仕事をしたり、本を読む時間がなにより至福です。
私ごとですが、最近働いている職場に異動になって1年経ちました。社会人経験は7年目、色々な生き方の選択はありますが、今の選択が居心地が良いから仕事も続けられる、というより寧ろ人間は、結局居心地の良い方を選択をしていると感じたりします。元々いた部署を離れてからでも、長く付き合いのある人達が離れた場所にいたとしても、自分のことをある程度理解してくれていて電話もしやすいような関係性が出来ている事が非常に有り難く、効率が良く感じます。近くにいても遠い存在より、サラッと電話なりメールをしやすい「思い浮かぶ」存在であることを意識して毎日働いています。このような「思い浮かぶ」人が多くおれば、仕事も円滑に回りますし、蟠りが減るように思います。
この人に仕事を任せようかなだったり、相談してみようかな、という時にすぐ頭に浮かぶ存在の方はいるでしょうか。今回の本は、この「思い浮かぶ」存在になることの大切さが紹介されています。そのような存在になる為には、今生きる世界の「現実」を知り、私達人間の根本的な意識の「錯覚」に重点を置き、その「錯覚」を認めた上で、「思い浮かぶ」存在となる必要があるとされています。
「錯覚」とは何を意味するのでしょうか。本書では『錯覚資産』と名付けられています。それは「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の錯覚」であり、人の判断を誤らせるものでもあるので、悪い意味合いも持ち合わせています。しかし私達が生きる世界では、この『錯覚資産』無しでは物事を進められず、蔓延しています。そして、多くの方が「錯覚」していることに気づいていない、というよりも「私は『錯覚』していない」と「錯覚」しています。
本書は、『「世の中、実力主義になんてなってない」という身も蓋もない現実を踏まえたうえでの、リアルな成功法』とされており、私達が意識的に判断する以前の「無意識の判断」の存在を気づかせてくれます。分かりやすい例として挙げられているのは、本書の冒頭部分での「面接官は、『外見で採用したわけじゃない』と、自分では思っていたが、実際は、外見で採用していた」という事実です。これは、「仕事に必要な資格よりも、身だしなみのよさのほうが、採用決定に大きな影響を与えていた」という結果に繋がります。「容姿が優れている」という特徴が、「その人間が全体的に優れている」というイメージに置き換えられ、なにもかも優れているに違いないと「錯覚」します。けれど面接官自身はその「錯覚」に自覚はなく、正当な採用基準で面接を行なっていると信じて疑わないことも事実として挙げられています。「錯覚」させることは、いわゆる「実力」ではありません。「実力こそ身を結ぶ」と、意識的に思い描く理想なのですが、生きる世界で蔓延する「錯覚」の影響と、人間の「無意識」な意思決定により、その理想通りには到底近づけないことが現実です。本書では、「思考の錯覚」や「錯覚資産」の存在を理解した上で、あらゆる判断に対して間違うことのないように意思決定する力を与えてくれます。
最初にお伝えした「思い浮かぶ」人は、「錯覚資産」を増やすことが出来ます。色々な場面に出向き、自らチャンスを掴みに行く姿勢は、豊かに生きる為に必要な要素であり、結果良い環境や人間関係に恵まれます。すごく仕事が出来ていたり、技術を持ち合わせていても、そのことを「誰も知らなければ」意味がありません。生き方は人それぞれですが、頭に「思い浮かぶ」人になる生き方を選ぶのならば、現実に対する理解は不可欠です。
人間の頭の中は意外と簡単な構造かもしれません。思い返せば、好きな歌手の歌は全て素晴らしいと感じるし、信頼している上司のことは全て正しいと感じる、という事実は少なからずあります。一見ダメなことに感じますが、これが人間です。この事実を認めたくないという意識が働き、理由を後から探し出すということもあり得ます。私達の「無意識」を認めることが、豊かに生きることに繋がることになるでしょう。
私の心の問いかけに心動かされた方は、この本を手にとっても良いかもしれません。この本があなたの人生を変える一冊になると嬉しいです。
人生は運よりも実力よりも
「勘違いさせる力」で決まっている
［著］ふろむだ
