manachix’s blog

人生のきっかけを作ります🌈✨運命の1冊をあなたに!

価値を求めるあなたに贈る1冊🌈

デパートに出向けば、色々なブランドのショップが立ち並び、私達の心を踊らせる。店内の雰囲気や香りだけでも、他とは違う特別な空間を作り上げている。人それぞれ求める物は違えど、実際に商品を手に取ってみれば、違いを肌で感じ、「やっぱり高価な物は違う」と思わざるを得ない。

 

ブランドに興味を持ち出したのは、社会人になってからだ。学生時代は否定的だったかもしれない。安くて良い物も沢山あるわけだし、わざわざ同じ機能をする物、例えば「荷物を持ち歩く」ことが出来る『鞄』自体に、何故お金をかけるのか理解出来なかった。同じようなブランド物を同じように持ち歩く人達を見るや否や、どこに個性があるのかと疑問だった。しかしその奥底には、自分とのミスマッチさ、ブランドに自分が『負けている』感が、私を曲げていたのだろう。

 

このような偏見さが緩み始めたきっかけとして、『プラダを着た悪魔』という映画に出会ったことも大きく影響している。ファッションには無頓着な主人公がガラリと変貌を遂げていくが、身につける物や環境でここまで人は変わるのか?と考えるようになった。日々身につけてる物の比較的安価で大量生産が可能な洋服には、歴史あるブランドが生み出した技術が組み込まれていることを知らされる場面がある。今までお金の無駄使いだと敬遠していたことが、時代を切り開くセンセーショナルな役割を果たしていた事実。「何故ここまで高価なのに人々が欲しているのか」という疑問と、やはり、実際に経験をしたことがない世界に対しての歪んだ見方を改めるべきだと感じた。

 

今回の本は『贅沢』の本質に迫っている。何故価値が見出されているのか、ブランドの誕生から現在に存続する為の工夫までも紹介している。本書で印象深い内容として、ブランドの敵として『偽物』が挙げられている部分だ。ブランドには偽物がつきもの、そっくり似た商品から一見として偽物だとわかる物。敵が増えれば増えるほどに、本物の価値は上がり続ける。そして敵を見れば、本物が何を守ろうとしているのか、何を売ろうとしているかを良く知ることも出来る。本物が偽物から距離を置くべく努力をしており、またブランド誕生から現在に至るまで、偽物に対しての防止策へ多大なコストをかけている。

 

私達は何に価値を置いているのだろうか。似たような物が渦巻いていながらも、本物志向は変わらない。そこには紛れもなくブランド名に価値の根拠があり、何故ブランド名に価値があるかと問いを重ねていけば、必然と歴史的な起源が浮かび上がる。時代を引っ張り続けるブランドには「攻め続ける」ことこそ重要であり、宿命だとされる。伝統を守るためには大胆な変身を恐れてはいけない、過去をいかしてより良い未来を創り出すことが出来る。なにかを購入する時、今まで利用することがなかった、ラグジュアリーな空間に足を踏み入れてみる。そこには歴史あるブランドの起源を大切にしているからこその価値と、未来への「攻める」姿勢が人の心を掴んで離さない。

 

ブランド価値は、『モノ』だけには留まらない。人にもブランド価値は存在し、オリジナリティ溢れた個性は価値となる。ブランド品同様、自身の誕生から今に至るまでのストーリーを考えてみてはどうか。淡白な人生であるように見えても、小さなドラマの連続だ。そして、人生の価値はいつからでも創り出せる。上手くことばかりではなく、失敗があったとしても、語れるエピソードが多い程色づくのではないだろうか。

 

私の心の問いかけに心動かされた方は、この本を手にとっても良いかもしれません。この本があなたの人生を変える一冊になると嬉しいです。

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ブランドの条件

[著]山田 登世子

ブランドの条件 (岩波新書)

ブランドの条件 (岩波新書)