朝目覚めた時。なにを意識しただろうか。朝御飯の準備か、溜まった仕事のことか、楽しみにしている予定のことか。誰にでも時間は与えられて、そして生き方も自由な選択をすることが出来る。誰かの指示で、今ここに存在しているかのように思うことだって、最終的には自分で決めている。
今日1日をどのように生きていこうかと改めて考えたり、立ち止まったりすることが無いくらいに忙しい毎日が続いていたとしても、それは、忙しいと自らが思い込んでしまっているだけかもしれない。自分の生き方に、客観的な目を持ち合わせて質問を投げかけるということはあるだろうか。誰かの指示には従うけれど、自分の指示をきちんと見抜けているのだろうかと感じる。
今回の本は、人生を変える『質問集』だ。起きてから寝るまで、様々な出来事に出会い、自然と自分に問いかけながら答えを導き出している。その中には、良い「質問」だけでなく、否定的な「質問」も含まれているだろう。本書では、そのような否定的な質問を、「悪魔の質問」としている。『どうして人生はおもしろくないんだろう？』や『どうして仕事がつまらないんだろう？』であったり。人は質問を思い浮かべると、答えを探す。結果、「悪魔の質問」を問いかけてしまえば、出来ない理由ばかりが頭の中に錯乱する。
自分を変えてくれるのは自分しかいない。「この人がきっかけで、人生が変わりました！」と思っていたりするかもしれないが、きっかけとして人生を変えようと努力した自分が素晴らしいのだ。どうにもならない障害、変えることの出来ない事実、自分ひとりで生きていない現状が渦巻く。『本当はどうしたいの？』と問えば、頭に描き出される諦めた夢の数々。こう悩んでいるうちに、私達は一生懸命生き、そして寿命を削り続けている。
私が生きる目標を意識し始めたのは、住みたい場所を見つけた時からだ。海の見える素敵な場所、私には頭に描く事ができる夢がある。今の自分には到底不可能、生きてるだけでお金がなくなるかもしれない。けれど、「将来住みたい場所は？」という質問を受けると、いつも具体的に答えるようにしてる。住んでいるイメージをして、いつも自分に問いかける。『どんな場所に住んで生活したい？』『将来どんな人達と過ごしていたい？』今目の前にその現実が無くてもいい。考えることを始めれば、意識は自然と目指す方向へ進み、色々な角度から情報が入ってくるようになる。本書では、『5年後にはどうなりたいの？』等、希望がある「魔法の質問」こそ、未来を開き、そして毎日を意味のある1日へと導き出すとしている。
今の自分に対して、問いかけたい質問はあるだろうか。過去の失敗についての原因追求なんか要らない。後悔は捨てて、反省して前に進めさえすればいい。後退する為に費やす時間なんて、どこに残されているのだろうか。同じように時間を消費しながらも、皆別々の時間の使い方をし、様々な角度から自分の人生を色づかせている。
現状は変えられないと思って生きてきた。流されるように、私の生き方は、今存在している場所で見つけなければいけないと感じていた。思い返せば、自分の意見を口にすることも少ない方であったから、自分の中で『悪魔の質問』ばかりしていたのかもしれない。
私は昔から、コンプレックスと共に生きている。「どうして綺麗になれないんだろう？」と問い、他人と比べ、綺麗でない理由を探してしまっていた。これからは、「どうすれば綺麗になれるのだろう？」と問うことを心がけ、綺麗になるアンテナを巡らせ、取り入れていく気持ちだ。そして現実がまだ到達していなくても、あたかも成功している風に振る舞う。私であれば、「綺麗な人」になっているように振る舞うこと。それは自然と所作や顔つきに表れ、私をもっと遠くへ導いてくれるはずだ。
私の心の問いかけに心動かされた方は、この本を手にとっても良いかもしれません。この本があなたの人生を変える一冊になると嬉しいです。
起きてから寝るまでの
魔法の質問
［著］マツダ ミヒロ
